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2008年12月23日 (火)

『レッドクリフ』を観てきました(ファンは読まないで)

EffeeEFFEE(えふぃー)です。
ようやく大学の授業も一段落したので、「早く行かないと終わってしまうよ」というコマーシャルの脅しに乗っかって、ジョン・ウー監督の『レッドクリフ』をみてきました。
ここから先は僕の感想だし、ちょっと刺激的なので、ファンの方は読まないでね。
結論。正直言って本当にがっかりしました。映画を観終わってこれほど不愉快な思いを感じたのは近来稀です。
『三国志』はだれがどうみても優れた物語で、歴史的に語り継がれ大切にされてきたものです。こんなすばらしい素材を使ってこれほど陳腐な作品を作り上げるとは、それは『三国志』ファンや『三国志』の歴史に対する冒涜ではないかと思ったのです。
安易なコンピュータグラフィックスの多用が、この映画の制作者からも観客からも想像力や空想力を奪い去っています。一画面の中に数十万の水軍が写しこまれ、鳥のように俯瞰されているのです。その映像は壮絶というよりもまるでグーグルアースで衛星写真を見ているようなもので、実際の戦場で戦士達が感じている驚きや戦き、それに恐怖や葛藤を感じ取る隙がありません。
安物のコンピュータグラフィックスを多用して、子どものように「こんなにすごいんだよ」と感動を無理強いしてくるのにはうんざりしました。この手法は、陸戦の実写映像にも伝染し、さらには台本の台詞も押しつけがましく説教くさくなってしまっています。
とにかく、映像も演出も台詞も緊張感というものがまったく感じられず、弛緩しきったゆるい時間が延々と続くのです。
映画制作者はもっと緊迫した時間の中で、命がけの勝負をしているものだと思っていました。NHKの衛星放送(BS2)で22日の午後に「よみがえる巨匠の制作現場〜野上照代が記録した19本の黒澤映画」という番組が放映されていました。黒澤映画のスクリプターとしてなくてはならない存在だった野上さんが語る映画制作の現場は、本当に緊張感に満ちて、生死をかけた戦いのような雰囲気がありました。映画人には安易な商法に走るのではなく、作品を自分の子として大切に育て上げて欲しいと願うばかりです。

唯一の収穫は、諸葛孔明役の金城武が結構良かったことです。諸葛孔明としての「熱くなってはならない」という台詞の度に、意味不明なシニカルな微笑みを浮かべるのですが、それがわたしには、「そんなに熱くならないで、もっと自然に造りこもうよ」と監督に進言しているように思われました。

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