いとうせいこう氏そして章子怡(チャン・ツィイー)
EFFEE(えっふぃー)です。えつぞう君がすでに予告をしてくれてたんだけど、ぼくは「文学部フォーラム」と「エツゾウ映画館」の両方に参加させてもらったので、簡単にご報告。
同朋大学文学部フォーラムに来ていただいたいとうせいこうさん、さすがです。講演タイトルは「寄り道を主体とすること」。どんな話になるのか見当もつきませんでしたが、9月のいとうさんの一週間分のスケジュール手帳をプロジェクターで映し出しながら、この日は誰に会い、この日はどんな映画を見、また文楽にも行き、帰りに友達と飲んで.......なんて話がつづきました。
それが結構面白く、その交友範囲の広さや、興味を持つ対象の文化的な深さなど、うらやましくなるような日々の生活を紹介してくださった後、「ほとんど好きなことやって遊んでいるんですね。遊びがそのまま生活になる幸福な人生を歩ませていただいてるんですが」とつながって、結局おっしゃりたかったのは、効率や社会的基準だけで生きていくのではなく、一見役にたたないようなことや、あまり他の人が興味を示さないことを、つまり「寄り道」を「主体とする」ことの楽しさ、意味深さだったように思います。
とても面白くてためになる話でしたが、「寄り道」をするためには、「寄る」べき「道」を見つけ出す知性が必要だとも感じました。大抵の人は、そうした努力をしないで、あるいは自信がもてなくて、左に倣う生き方を選んでいくんではないでしょうか。こりゃちょっと勉強しなくては、というのが僕の実感。人生を楽しくするためには、やはり知性が必要です。
実は僕はこの土曜日、午前中は京都で用があったので、少し遅刻して会場に入りました。そのため、ひょっとすると間違って理解しているところもあるかもしれません。間違ってたらごめんなさい。
今日19日は、エツゾウ映画館の日。同朋大学のDoプラザ閲蔵のホールで開かれている一ヶ月に一回の映画鑑賞会。今回は通算で11回目。連城三紀彦(作家)さんと李相美(日本ラインFCアドバイザー)さんのお二人に作品を選んでいただくようになって8回目。今回は今年の第三期(3ヶ月を一期として、今年は第一期に韓国映画、第二期に香港映画、第三期に台湾・中国映画をセレクトしてもらっている)第二回目で、章子怡(チャン・ツィイー)主演の「パープルバタフライ」が上演されました。
いつものように映画の鑑賞だけではなく、連城さんと李さんの映画放談付。ただし今回はスケジュールの都合上、映画放談が上映の先になりました。
さて、映画放談では連城先生が「エンディングが面白いけど、いっちゃうとつまんなくなるからいわない」などと隔靴掻痒を引き起こすような物言いで、なんだかわくわくしてしまいました。ところがこのエンディングなかなか難解で、見終わった後数人で、その解釈について議論することとなりました。
物語は日中戦争直前の上海。元々満州で愛し合った二人が、中村トオル演ずる日本の諜報部員となった伊丹と、兄を日本人に殺されて反日組織「パープルバタフライ」の一員となったチャン・ツィイー扮するシンシアとして、皮肉にも三年後に二人が再開することから展開します。そこからの二人の関係は、本当に糸の上を歩くような危うさに満ちて、恋情と使命感、そのどちらともつかない不可解な感情の動揺の中で、複雑に絡みついていきます。結局最後は、目的の完遂だったのか悲恋だったのか、そのどちらでもあり、どちらでもなかったのか、本当のところは誰にもわからないのではないかと思わせるような不思議な幕切れとなっていました。
上海の猥雑で情緒ある風情、雨模様の憂鬱なムードの漂う肌寒い季節感、時々ピントが外れてまた戻っていく独特の撮影技法など、登場人物の内面の葛藤や鬱窟、それに解決不能な迷いをあらわす描写が印象に残りました。チャン・ツィイーさんの女性としての魅力までは僕にはよく分かりませんでしたが、一級の作品であることは確かでした。
エツゾウ映画館って本当にいいですね。
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コメント
いとうせいこうさんの講演会楽しく聴かせていただきました。ただ残念だったのは、お話をしているせいこうさんの表情や身ぶりが全く見えなかったこと。OHPの画面を見やすくするために暗くするのはしかたがないことですが、せめてせいこうさんにピンスポットくらいはあててほしかった。パソコンを操作する人にはあんなにあたっていたのに・・・(苦笑)
投稿: プッチ | 2008年10月22日 (水) 19時17分
EFFEEです。コメントいただきありがとうございます。本当ですね。僕もちょっと暗いなと感じてました。僕の方からも見る側の意見を伝えておきたいと思います。
投稿: EFFEE | 2008年10月23日 (木) 01時24分