北京奥運会…
北京オリンピックの開会式については、いろいろと物議を醸しているようですが、長年中国、香港、台湾などを旅してきているワシにいわせれば、「中国はいつも通りのことをやっているだけなのになぁ…」という感じなんですよね。
あ、別に中国の肩を持つわけでは決してないんですよ。
中国では、テレビ文化が発達してからというもの、国際的なスポーツ行事や、国内向けの季節の行事に伴って、大型の文芸パフォーマンスが行われることはめずらしくなく、それは必ず全国に中継されるわけです。その時、制作者側が最も重要視することはといえば、たぶん、中国人の「誇り」を示し、共同意識を呼び起こし、一分の隙もなくパフォーマンスを完結させることなのです。
その時その時の最高技術を使い、中国の伝統芸術を織り込み、最後は56民族の融和を示して終わるというのは、ある種お決まりのフルコースで、おそらく中国のテレビ視聴者は今回の開会式も、いつものことをより派手にやったなぁという印象を持ったんじゃないかと思います。あの張藝謀が演出してもその流れは外せなかったわけで、要は「国内向け」という意味合いが強いのだと思います。
だから、残念なことに、中国ではそんな演出に慣らされて、人びとはまだ「ライブ」の楽しさを味わう習慣が本格的には根付いていないように思います。ちょっと前まではコンサートの観客席で立ち上がることすら禁止されていたほどですから、(例えCDで聞くより下手であっても、)歌手の生の声や息づかいを味わいたい、一度きりのライブ感を共有したいという欲求が、人びとの中から起こってこないのも、ある意味当然のことかもしれません。
でも、こういう状況は確実に変わっていくと思いますよ。今回の開会式でも、サラ・ブライトマンとデュエットした劉歓は少なくとも口パクではないように見えましたしね…。![]()
日本の各テレビ局や新聞社には多くの中国通が必ずいるはずなのに、こうした中国の事情を何一つ伝えずに、みな同じような批判報道になるのがむしろ問題な気がしますね。聖火の最終ランナー(かの有名な体操選手・李寧氏)のことを全く説明できなかったNHKのスポーツアナなどは、もっと中国のことを勉強してもらいたいなぁ。
ついでに残念なことをもう一つ。
7月に中国・香港・台湾ではすでに公開になっている話題の映画『赤壁(レッドクリフ)』を見ました。(日本では11月に公開になるそうです。)三国志の赤壁の戦いを映像化した超大作映画なのだけど、主役の二人、周瑜役の梁朝偉(トニーレオン)と、諸葛孔明役の金城武の声が吹き替えになってました
。それぞれ香港と台湾出身で、訛りがあるからという判断なのでしょうが、(これも中国ではよくあることとはいえ…)生の声を知っている者にとってはすっごく違和感があります。孫権役の張震や小喬役の林志玲といった台湾の他の役者さんは本人の声をそのまま使っているのにね…。生の金城クンの声が聞きたーいという要望が、制作者(&行政?)を突き動かすほどに高まるといいのですけどね。
ワシはこれから金城クンの故郷台湾に移動します。また現地からレポートしますね。
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