北京奥運会その2
日本では野球が惨敗に終わってがっかりのようですが、台湾でも同じようにショックが広がっています。最終的にはカナダに勝って5位は確保したものの、何といっても予選で中国に負けたというのが、台湾の人たちのプライドを著しく傷つけたようです。代表監督の洪一中も既に辞意を示していますしね。台湾では国民党の馬英九政権が誕生して、中国との関係を「改善」していこうという流れが生まれてはいますが、こと台湾が先進的である分野に関しては微妙なようで…。
オリンピックの閉会式でもすこしそんな雰囲気を感じました。
閉会式は開会式ほど報道管制が厳しくなかったのか、サプライズゲスト情報はけっこう漏れていて、例えばベッカムが来ることなども事前にニュースで報道されていましたが、台湾関係では、事前のマスコミの予想通り人気歌手の王力宏(ワン・リーホン)がコンサートパートのトップを切って登場しましたよね。(彼は日本でコンサートをしたこともあるし、Gacktと映画で共演したこともあるので、知っている人もけっこういると思いますが。)
でも…、おそらく全部で30名は出演したと思われる歌手の中で、テレビ画面で確認できる限り台湾関係は彼一人だけだったんです。
中国からは大ベテランの宋祖英を筆頭に、汪峰、韋唯、孫楠、孫悦といったおなじみの顔ぶれから、若手の韓雪(日本の中孝介とのデュエットや「雪の華」の中国語カバーで知られる)、民族歌手の張也まで、まんべんなく取り揃えてある感じでしたし、香港からは今回のオリンピックのいわば広告塔であった成龍(ジャッキーチェン)をはじめ、劉徳華(アンディ・ラウ)、周華建(エミール・チョウ)、陳慧琳(ケリー・チャン)、莫文蔚(カレン・モク)、謝霆鋒(ニコラス・ツェー)、容祖児(ジョーイ・ヨン)まで、スター勢揃いであったのに対し、(中国で行われる普段の文芸行事と比べても、)台湾に関しては、明らかにバランスを欠いている印象を受けました。(孫燕姿の姿もちらっと見えましたが、彼女は台湾を中心に活動はしてますがあくまでもシンガポール人ですしね…。)
この20年、とりわけ香港の芸能界に活気が無くなった最近の10年は、中華圏の芸能(ポップス、映画、テレビ)の世界で中心的な役割を果たしてきたのは、間違いなく台湾の芸能人たちです。大陸でもそのことはよくわかっていて、常に台湾のスターたちを取り込んで国内の芸能活動の活性化を図ってきたといえます。オリンピックのテーマソング作りにも台湾のライターや歌手は10人近く関わっていて、20曲ほどあるテーマソングの中でも周杰倫(ジェイ・チョウ)の「千山万水」は一番の名曲といえるほどなのです。
にもかかわらず、どんな裏事情があったかはわかりませんが、彼らは結局オリンピックの閉会式には出演しなかったということです。王力宏もたぶんアメリカ国籍ですから、正確には「台湾人」芸能人は一人も参加しなかったといえるかもしれません。
オリンピックへの台湾の参加の歴史はここでは触れませんが、やはり全世界から注目を集める場ですから、特に開閉会式などは政治色を帯びるものなのですよね
。王力宏の参加は台湾側が飲んだギリギリの選択肢だったのかな、なんて勘ぐりたくもなります。
となると、一人だけ韓国から参加したRain(ピ)は一体何だったんだろう?確かに中国でもとても人気があるんだけど、中国が「中国人」をアピールする場に、はたしてふさわしかったのかどうか?高句麗帰属問題などで中韓がもめていたことを考えると、ここにももしかすると中国の深い戦略があるのかも…。なんていうと怒られるかな?
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